夫の転職を「嫁ブロック」

夫の転職・起業を嫁が反対し、夫が内定を辞退するなどする「嫁ブロック」という言葉があるという。もともとは企業の採用担当者が使っていた業界用語で、妻の反対により採用が失敗に終わることを指していたというが、ここ数年で一般にも知られる言葉になってきた。
人材派遣会社によると、転職希望者はここ5年程で3倍に増加しているという。この要因は、2020年東京五輪に向け、建築業界が求人を増やしていることだという。また、市場の拡大が続くIT業界では、技術に見合った報酬を求め、転職を繰り返すケースが多いのだそうだ。
一方、転職に待ったをかける妻は、夫の今の勤め先がママ友間でステータスになっていたり、転職が地方転勤を伴うことに難色を示しているという。妻側の転職反対理由として、最も多いのが年収が下がること、次いで勤務地が自宅から遠いこと、そして現職の福利厚生が充実していることだそうだ。
顧客サービスを担当する石渡崇之さんによると、本人だけでなく妻や家族に向けた採用説明会を開く企業もあるといい、嫁ブロックが企業側の採用手法に影響を与えつつあるそうだ。また、採用が決まる決まらないという段階になって妻に転職を打ち明けて反対されるパターンが多いため、妻の意向をくんだ上で自らの希望も反映できるように、前段階から妻と話し合っておくことが必要だと助言している。
ニッセイ基礎研究所の松浦民恵主任研究員は「団塊世代と異なり働く女性が増えた30~40代は、家庭での夫と妻の発言力が均等化してきた可能性がある」として、「妻が収入減を理由に転職に反対するのは、家計が男性の収入に依存している現状を示し、女性に対する就労支援が不十分であることの裏返しでもある」と指摘しているという。
収入が増える宛があるならまだしも、現状を変えたくないというのが多くの妻の意見なのだろうか。充分に話し合って人生を決めていくべきだ。